ローカリゼーションマップ

イタリア各都市で進む自転車利用 禍転じて…サステナブルな社会への動きも (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 長い間、環境問題や社会的問題に対する動きとして、サステナブルな社会のあり方が問われてきた。近年、サステナブルであろうとする活動は先進国の「余裕ある活動」ではなく、世界的に真正面から捉えられるべきテーマだとの認識が経済発展レベルを問わず、議論の対象になってきた。

 二酸化炭素排出制限にはじまり、自動車の有効利用をはかるライドシェアリングや公共交通の充実など、実際に実行されてきたことは多い。

 しかしながら、少なくない人々の心のなかに、「サステナビリティって分かるけど、まあ、中長期の目標だよね」との想いがどこかにうずいていたはずだ。それに対して、今回の禍が一挙に優先順位を変えてしまった。

 具体的にいえばソーシャル・ディスタンス(社会的距離)である。国によって数字は違うが、人との距離を1メートルから2メートル程度とることが飛沫感染を防ぐために必要とされる。

 だから前述したように、公共交通機関内や店舗での人数制限がかかる。かといって自家用車の利用が増えれば、空気汚染というネガティブな影響を招く。

 そこでイタリア各都市が推進しているのは自転車利用の促進である。しかし、専用レーンなしの自転車利用は交通事故の増加を招く恐れもある。そのために現行の自転車専用レーンをさらに延長させることがアイデアとして出てくる。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus