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フィリピン大統領長女、継承へ布石 中間選挙で存在感 「ドゥテルテ王朝」着々 (2/2ページ)

 ドゥテルテ氏の後継候補の本命はまだはっきりしないが、サラ氏は着々と足掛かりを築いている。昨年2月には地域政党「改革党」を創設。複数の国政政党と提携し、中間選挙に向けドゥテルテ氏側近のゴー前大統領特別補佐官らを推薦した。

 投票直前の5月9日夜、ダバオで改革党の選挙集会が開かれた。デラロサ前国家警察長官(上院議員に当選)が壇上で「次の大統領も(ダバオがある)ミンダナオ島出身の誰かであることを私は望んでいる。とてもいい市長だ。それは誰だ?」と問うと、詰め掛けた数千人の聴衆から「サラ!」と絶叫が響いた。

 次期大統領候補には、長期独裁政権を敷いた故マルコス元大統領の長男で、16年の副大統領選で敗れたマルコス元上院議員や、国民的人気を誇るボクサーのパッキャオ上院議員、今回再選されたポー上院議員らの名前も挙がっている。

 大統領府高官は「サラ氏は能力もカリスマ性も十分あるがまだ若い」と指摘する。しかし中間選挙で実績を示し全国で知名度を高めたことで、フィリピン政界に「ドゥテルテ王朝」を築く地盤を着実に固めつつある。(ダバオ 共同)

【用語解説】フィリピンの選挙

 大統領選と、国と地方の議員らを決める中間選挙がそれぞれ6年に1度ある。2016年の大統領選では、ドゥテルテ氏が下馬評を覆して勝利。地方では有力な一族が地元政界のポストを独占するケースも目立ち、ドゥテルテ一家のダバオ市やマルコス一家の北イロコス州などが挙げられる。圧倒的な知名度に加え、在職中の利権を活用して蓄財した資金力を背景に、一族で公職を「たらい回し」にすることから、フィリピン政界は「家族経営」と揶揄(やゆ)されることもある。(ダバオ 共同)

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