海外情勢

フィリピン大統領長女、継承へ布石 中間選挙で存在感 「ドゥテルテ王朝」着々 (1/2ページ)

 5月13日に投開票されたフィリピンの中間選挙では、ドゥテルテ大統領派の候補が圧勝した。陰の立役者といわれるのがドゥテルテ氏の長女、サラ氏だ。全国行脚し、推薦候補の支援に奔走。2022年の次期大統領選を視野に入れ、権力継承に向けた布石との観測が浮上している。フィリピン政界の世襲の色は濃くなるばかりだ。

 「子供たちには政界から早く身を引いた方がいいと言っている」。ドゥテルテ氏は選挙当日、投票のため訪れた南部ダバオの高校で報道陣にこう語った。

 だが父親の「助言」とは裏腹に、選挙では子供3人が早々と当選を果たした。長男のパオロ氏は下院議員に初当選。ダバオ市長の座をドゥテルテ氏から引き継いだサラ氏は、得票率が実に約99%という完勝ぶりで再選を決め、次男のセバスチャン氏は副市長に選ばれた。

 ドゥテルテ氏は3人の中で、サラ氏の政治家としての資質を断トツで評価している。これまでの演説でも「私が達成できなかったこともサラならやり遂げられる」などと、サラ氏を大統領の後継に指名するかのような発言をしたこともあった。

 最近ではトーンダウンし、投票時には報道陣に「サラには『大統領職はおまえの身を滅ぼすぞ』と公然と警告しているんだ」と述べ、否定的な態度を示してもいる。

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