論風

今後10年のメガトレンド おごりと焦りのドカ貧避けよ (3/3ページ)

土居征夫

 大東亜戦争の開戦時、戦争という「ドカ貧」より、苦難の道ではあるが「ジリ貧」を選択せよと主張した重臣たちの提言は、国家の発展に短期的な成果を求めるおごりと焦りと欲望に満ちた現役リーダーを抑えられなかった。いま日本は、紆余(うよ)曲折が予想される世界情勢の苦難の道を、楽観も悲観もせずにじっくり見極め、自らの力を蓄えつつ、希望をもって一歩一歩カメの歩みを進めるときかもしれない。

【プロフィル】土居征夫

 どい・ゆきお 東大法卒。1965年通商産業省(現経済産業省)入省。生活産業局長を経て94年に退官。商工中金理事、NEC常務を経て、2004年以降、企業活力研究所理事長、学校法人城西大学特任教授などを歴任。10年10月から現職。世界のための日本のこころセンター代表理事。日本信号顧問。77歳。東京都出身。

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