米朝首脳会談の中止通告で区切り、五輪・南北会談…半島の5カ月が残したものは  (2/2ページ)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(朝鮮通信=共同)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(朝鮮通信=共同)【拡大】

 何よりも、米朝首脳会談の中止通告を受けた北朝鮮が、金正恩氏の委任による談話で、米朝関係改善にための首脳会談が「どれほど切実に必要か」を訴えた。米朝首脳会談を通して体制の保証を得ようとしていた金正恩氏がいかに困っいるか、本音をさらけ出した。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記と金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両元大統領による2回の首脳会談で韓国は、北朝鮮に経済援助をし、核・ミサイル開発の時間を与えた。今回の南北首脳会談で発表された板門店宣言も、過去の合意をなぞったような内容で新味はなかった。ただ、韓国は今回、これまでのところ北朝鮮に多くを与えずにとどまっている。

 今年に入っての南北の歩み寄りは、既視感のある光景が目立ったが、得られるだけ得て約束を守らない北朝鮮の常套(じょうとう)手段はかろうじて許されていない。