財務省は12日午前、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書に書き換えがあったと、与党幹部に報告した。書き換えがあったのは、平成28年6月に森友側と国有地の売買契約を結ぶ際の決裁文書に添付した調書など14の文書で、時期は国有地売却問題発覚後の昨年2月末以降だと説明した。与党幹部によると、削除部分には森友側の発言として安倍昭恵首相夫人の名前もあったという。財務省は本省幹部や近畿財務局職員の懲戒処分を検討している。
野党は書き換えの動機や指揮系統などの解明に加え、麻生太郎副総理兼財務相の辞任を求めるなど反発を強めている。
財務省の太田充理財局長や富山一成理財局次長らは12日朝から与党幹部を個別に訪問し、関係者の聞き取り調査などの結果を報告した。交渉の経緯に関し「本件の特殊性」「特例的な内容」といった文言のほか、複数の政治家の秘書らの働きかけも削除されていたとみられる。財務省は首相官邸や麻生氏の指示は否定したもようだ。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で麻生氏の進退について「いま財務省あげて調査をしており、はっきりすべく指揮を執っていただくべきだ」と述べた。
衆参の官房副長官は同日午前、衆参の与党国対幹部に状況を報告。財務省は12日、国会に調査結果を報告し、14文書で書き換えがあったと認めた。