財務省、森友文書の書き換え認める方針 あす国会報告 麻生太郎氏、辞任せず (2/2ページ)

東京・霞が関の財務省。「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換え認める方針を固めた=10日夜
東京・霞が関の財務省。「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換え認める方針を固めた=10日夜【拡大】

  • 「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換えを認める方針を固めた財務省の通用口=10日午後、東京都千代田区・財務省(納冨康撮影)
  • 国会議員らに開示された、森友学園との国有地取引に際して財務省が作成した決裁文書(一部画像処理しています)

 書き換え疑惑をめぐっては、佐川氏が辞任したことで政権中枢を直撃するのではないかとの見方が広がった。安倍晋三首相は10日、視察先の福島県内で記者団に「文書(書き換え)の有無を明らかにするため全力を挙げなければならない」と語った。

 一方で野党は書き換えの存在があったことで「政権の隠蔽(いんぺい)体質」と批判し、さらに攻勢を強めそうだ。共産党の小池晃書記局長は10日、都内の街頭演説で「事実なら安倍内閣は総辞職をしなければならない」と訴えた。佐川氏の証人喚問を引き続き求めていく考えも強調した。

 決裁文書に関する書き換えについては、与党に要求される形で財務省が8日に参院予算委員会の理事会などに文書を提出した。しかし、過去に議員に示した文書と同じ内容だった。加えて財務省が「書き換えの有無は調査中」と回答したため、野党側はかえって反発を強め、国会審議が空転する事態を招いた。

 9日には麻生氏が記者会見し、今後の対応を説明することで、政府は沈静化を図ろうとしたが、「佐川氏をトカゲのしっぽ切りで辞めさせるだけではなく、政治家が責任をとるべきだ」(立憲民主党の辻元清美国対委員長)と非難し、国政調査権の発動により財務省に資料を提出させることなどを求めている。