財務省、森友文書の書き換え認める方針 あす国会報告 麻生太郎氏、辞任せず (1/2ページ)

東京・霞が関の財務省。「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換え認める方針を固めた=10日夜
東京・霞が関の財務省。「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換え認める方針を固めた=10日夜【拡大】

  • 「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の書き換えを認める方針を固めた財務省の通用口=10日午後、東京都千代田区・財務省(納冨康撮影)
  • 国会議員らに開示された、森友学園との国有地取引に際して財務省が作成した決裁文書(一部画像処理しています)

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、財務省が決裁文書に書き換えがあったと認める方針であることが10日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。12日に、決裁文書を含む9種類の文書を国会に報告する。書き換えは決裁文書に付随する関連文書にあった記述の削除などとしている。

 12日に報告される文書には、森友学園に対する貸し付け契約の特例に関する文書も含まれているという。近畿財務局は当初、3年以内の売買の貸し付け契約にする予定だったが、森友側の強い要請によって10年以内と認めた経緯を説明したものだったとされる。ただ、こうした経緯を把握していたのは、財務省理財局でも一部にとどまっていたとみられる。

 政府関係者は「麻生太郎副総理兼財務相の進退に関わる話にはつながらない」と述べた。また、与党幹部は、決裁文書の国会提出時に担当局長で、国会審議の混乱を招いた責任を取って9日付で辞任した佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官の関与について「佐川氏の指示によるものではない」と話している。

 ただ、書き換えの時期や関与した職員の全容、何の目的で書き換えたのかといった点については現段階で明らかになっていないことから調査を続行する。その調査の過程で必要が認められれば、関与した近畿財務局の担当職員らの懲戒処分も検討する。