米粉のテーマソングが、動画投稿サイト「ユーチューブ」でひそかな注目の的となっている。歌声の主は「東京五輪音頭」や大阪万博の「世界の国からこんにちは」などで知られる昭和を代表する歌手の三波春夫さん(1923~2001年)だ。といっても、歌っているのは三波さんの生前の歌唱データを基に音声を合成するバーチャル歌手「ハルオロイド・ミナミ」だ。歌詞は米粉の普及に取り組む農林水産省が監修した。「霞が関文学」と揶揄(やゆ)される独特の日本語を操り、一字一句にこだわる官僚ならではの苦労があったようで、その反響やいかに-。
テイチクが発売
楽曲は昨年12月、ブラザー工業の子会社で通信カラオケ「JOYSOUND」などを手がけるエクシング(名古屋市)傘下のレコード会社、テイチクエンタテインメントが発売。新潟県出身で「コメと日本人」というテーマで講演したこともあるほど、コメに思い入れがあった三波さんにちなみ、農水省とタイアップして企画した。テイチクはハルオロイド・ミナミで米粉の普及に一役買うことで、若い世代にも三波春夫さんの歌声を知ってもらいたい狙いがある。
自然な仕上がり
「米粉ジャパン!」「コメコ(米粉)スーパースター」「あっぱれ!KOMEKO節」の3曲。歌唱データを基にしているため、音声も自然な仕上がりだ。「米粉ジャパン!」は盆踊りをイメージした曲で、英語バージョンも作成した。「コメコ(米粉)スーパースター」は若者向けにアップテンポな一曲。「あっぱれ!KOMEKO節」は子供にも歌いやすい柔らかなメロディーとなっている。