再任固まった黒田日銀総裁 「異次元の金融緩和」出口戦略に立ちふさがる3つの壁 (2/2ページ)

衆院議院運営委員会で所信表明する日銀の黒田東彦総裁。中央は大島理森衆院議長、右は赤松広隆衆院副議長=2日
衆院議院運営委員会で所信表明する日銀の黒田東彦総裁。中央は大島理森衆院議長、右は赤松広隆衆院副議長=2日【拡大】

 また、「適正な株価形成ができない」と批判が根強い日銀の上場投資信託(ETF)買い入れも、縮小に転じれば株価の下押し圧力になるのは避けられない。

 政府・日銀は9月の自民党総裁選や19年10月の消費税増税を控え、景気悪化を極力防ぎたい構え。市場の動揺を防ぐため、政策の情報発信をどう円滑に行うかが新体制の懸案になる。

 一方、再任後の黒田氏の任期は23年まで。だが、黒田氏の「手腕を信頼している」と擁護する安倍首相の任期は9月の総裁選で3選しても21年までとなる。黒田氏はアベノミクスを牽引(けんいん)した立役者だけに、新政権が独自色を出せば逆風が吹く恐れもある。(田辺裕晶)