笑えないレベルに達した北のサイバー攻撃能力 制裁なし 金正恩氏の高笑いが聞こえる (4/4ページ)

 未熟な防衛対策

 北朝鮮のサイバー攻撃の脅威が広がる一方、他国の防衛対策が未熟という意見も多い。

 ウォールストリート・ジャーナルは10月12日、北朝鮮の犯行とみられるハッキングで、金正恩朝鮮労働党委員長の暗殺作戦を含む米韓両軍の最新の軍事計画など機密資料295件が流出した事例を紹介。原因について、昨年9月に韓国軍の内部ネットワークがハッキングを受けた当時、軍事データベースが誤ってインターネットに接続されていたためだと報じた。

 同紙などによると、流出した軍事機密は通常、ネットにつながっていない軍のイントラネットに保管。にもかかわらず、イントラネットとネットをつなげるコネクターが1年以上もつながったままだったという。記事は、「ありえないミスだ」と批判する韓国の与党議員の声を紹介した。

 韓国の防衛対策はあまりにもずさんだったが、日本は同様の攻撃に見舞われた場合、十分な対策を講じられるのか。

 防衛対策に従事するセキュリティー人材の育成が遅れており、サイバー能力は北朝鮮から引き離されているという指摘が多い。

 「サイバーの世界は弱肉強食。弱いものから順に狙われる」。国内外のセキュリティー専門家はそう口をそろえる。北朝鮮のサイバー能力の分析を進めるとともに、防衛対策を向上することは急務だ。