【中国を読む】企業の債務急拡大と投資ブーム 日本総合研究所・関辰一 (2/3ページ)

 もう一つの要因は、企業の金融資産投資の拡大である。08年以降の大規模な金融緩和を受けて、緩和マネーが金融資産に大量に流入し、滞留している。実際、非金融企業の金融資産は同年末の35兆6590億元から12年末には88兆8247億元へ増加した。期末資産に占める割合は30%から39%へ上昇した。これを、リスクの低い現金・預金と、よりリスクの高いその他金融資産に分けてみると、後者が21兆2074億元から57兆5836億元へと急ピッチで増加した。いまでも、資金が実物投資に回らず、リスク資産に投じられることを指す「脱実向虚」との指摘が続いている。

 コンテナ船などの生産販売に携わる舜天船舶のケースをみてみよう。国有企業である同社は、12年に表面利率年6.6%の社債発行で資金を調達し、12年から13年末までに、銀行を経由して複数の非関連会社向けに年率18~19%で資金を貸し付けていた。このように銀行を仲介役として、企業がほかの企業に貸し付けることは「委託融資」と呼ばれている。最近では、委託融資による受取利息が最終利益の約50%に達したアルミ生産の国内最大手、中国アルミの事例が、注目されている。

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