--さて、天皇陛下の譲位を可能にする特例法案が9日に成立の見込みです
昨年8月、譲位を示唆された、天皇陛下のお気持ちの表明を受けての立法であることは承知します。ですが、私ども幸福実現党は同法案には反対です。
天皇陛下を「人間天皇」とみる立場からは、ご高齢でいらっしゃることなどを踏まえれば譲位も当然だとなるかもしれません。ですが、天皇は天照大神のご子孫であり、神話・伝統を背負った存在にほかならず、そのご本務は、神道の祭祀(さいし)の長としての祈りにあると考えます。譲位ではなく、公務の見直しによって負担軽減を図り、連綿と続く日本の国柄を守るべきというのが私たちの考えです。神秘性をそぎ落とすような議論は皇室を貶(おとしめ)めることにつながりかねないことにも注意を払うべきです。
--法案の付帯決議で「女性宮家の創設」検討が盛り込まれましたが
皇族減少に歯止めをかけるための検討はもちろん必要だと思います。しかし、女性宮家の創設は女系天皇に道を開き、万世一系の男系による皇統維持を危うくし、王朝交代を招く恐れもあることから慎重であるべきではないでしょうか。結婚により皇籍を離れた女性皇族の公務を可能とすることを検討すべきだと思います。
私たちは、大統領制の導入を主張していることから、一部の方から「皇室をなくそうとしているのではないか」とのご批判を受けることもあります。しかし、それはまったくの誤解です。統治機構改革の一環として大統領制を訴えていますが、これは皇室を守ることにもつながるのです。
自民党は憲法改正草案で天皇を「元首」としていますが、きな臭い動きが周辺国にあるなか、この考えでは、戦端が開かれて、万一、日本が敗戦国などになった場合、天皇が戦争責任を問われる可能性もあります。大統領を元首と位置付けるとともに、天皇を政治権力から遠ざけることで、皇室を維持することもできると確信します。