実際に、第一生命経済研究所で行った「若者の価値観と消費行動に関する調査」によれば、現代の若者は非常に「守り」の意識が強い。「将来を予測できるような安定生活をしたい」「将来のことを考えると、今、お金を使うこと全般に積極的になれない」「将来のことを考えて備えにお金を回したい」といった意識が高い中、「安心・安全な生活のためには積極的にお金を使う」など、将来を見据えリスクに備える意識を持っている。
一方で、若者の保守性のほかに気がかりな結果もみられる。「モノや情報が多すぎて買えないことが多い」との回答が高いことだ。インターネットショッピングの場合、商品やサービスの種類は非常に多様で選択肢の量は計り知れない。加えて若者は消費に際して親や友人に相談したり、ネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上のデータを参考にしたりと情報収集に余念がない。
商品・サービスの選択肢の多さと、それに付随する情報の多さに、消費経験の浅い若者は買う・買わないの基準を見いだせずに、「何を買ったらいいのかわからない」という状況に陥っている可能性があるのだ。