商業化に向けて本格的な産出が確認されたメタンハイドレート=4日、愛知県沖(経済産業省提供)【拡大】
経済産業省は4日、「燃える氷」と呼ばれ、次世代燃料と期待されるメタンハイドレートについて、愛知県沖の東部南海トラフ海域の地層から天然ガスを取り出すことに成功したと発表した。海洋でのガスの産出は2013年の前回試験に続いて2回目。商業化を目指した最終段階と位置付けられており、3~4週間の連続産出を目指す。
試験は国の委託を受けた独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)などが、地球深部探査船「ちきゅう」を使って実施。水深約1000メートルの海底から約300メートル掘り進んだメタンハイドレートの層で、水とメタンガスに分解して採取する作業を始め、メタンガスの生産を確認した。
今回は、民間主体の開発に移行するために、安定してメタンハイドレートを生産できるかどうかが最大の課題となる。
成功すれば、経産省や資源開発会社などは18年度中に19年度以降の開発事業の工程表を作る計画。
前回は約2週間の連続産出を目指したが、採掘の際に巻き上がった砂が設備に詰まるなどのトラブルが発生し、6日で産出を打ち切っていた。