ただ、中国ではネット通販が急拡大し、流通大手の実店舗に迫る。日本総合研究所によると、中国ネット通販市場は2015年に世界最大の約3・9兆元(約63兆円)と米国の約2倍の規模。日本貿易振興機構(ジェトロ)の箱崎大・中国北アジア課長は「店舗には商品を見に行くだけで、実際に買うのはネット通販という消費者も増えている」と指摘する。
昨年にはイトーヨーカドーが北京市内の3店舗を閉鎖した。同社は「五輪後、北京の商環境は厳しい」とみて、新規出店は内陸部の成都で進める考えだ。
米ウォルマート・ストアーズも店舗閉鎖を進行中と中国メディアが伝える。中国の商業専門サイトは「ウォルマートはネットに敏感でなかった」と逆風の理由を分析。前出のイオンモール現地法人幹部も「消費者の価値観の変化を敏感に捉えていくことが欠かせない」との考えを強調する。