中国・ロシア国境の島で観光振興 街の活性化期待も課題多く (1/2ページ)

2017.3.6 06:18

黒竜江省撫遠市にある魚市場=1月7日(共同)
黒竜江省撫遠市にある魚市場=1月7日(共同)【拡大】

 中国とロシアが2008年に領土問題を解決した中露国境、大ウスリー(中国名・黒瞎子)島の約半分の中国領とその周辺で中国が観光振興に力を入れている。中国は島に車で直接入ることができるつり橋を12年に開通させるなどインフラの整備も着々と進めている。

 島がある黒竜江省撫遠市は中国の最東端。主権を回復した島を一目見ようと夏場には多くの観光客が訪れるが、冬場は厳しい寒さのため訪れる人はわずか。外国人は事前の審査が必要など国際的な観光地としては課題も少なくない。

 大ウスリー島への観光は11年に一般開放され、年々増加傾向にある。地元の観光業者によると夏場の大ウスリー島への観光は国有企業が管理し、昨年は1日に5000人ほどの旅行者が島を訪れたという。

 「戻ってきた領土をこの目でぜひ見てみたくて、ここまで来た」。福建省から撫遠に来た男子大学生は1泊約60元(約991円)の簡易宿泊所で島上陸への期待を語った。

 地元では観光客による街の活性化への期待が強いが、氷点下30度を下回ることも珍しくなく、午後4時ごろには日が暮れる冬場は若いバックパッカーらがわずかに訪れる程度だ。

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