--今年はどんな年になると予測しているのか
「経済は、踊り場から回復の兆しが見えているが、今年は、昨年の状況を踏み台にして、ワンステップ上がることになると期待している。トランプ次期大統領については、法人税減税やインフラ投資、規制緩和といった産業促進策を打ち出していて、それを進めていってもらうことに期待するのと同時に、期待外れとなった反動もリスクとして考えている」
「だが、米国経済の回復は日本経済にも好影響を与えるのは間違いない。日本経済自体を好循環させることも重要で、これには、染みついたデフレマインドを払拭するためにも、経営者が自信を持って積極的な投資、積極的な研究開発をしていくことが重要だ。同時に春闘では近く経団連がまとめる経営側の指針に沿って前向きに対応してもらいたい」
--経済界の最大の関心は、昨年後半からの円安株高の経済環境がいつまで続くかだ
「今の円安株高を期待しているが、いつまで続くのかはわからない。金融機関、シンクタンクが今年末の対ドルの為替市場の予想を出しているが、最も円高で99円、円安で120円。予測がこれほどぶれたことはないというほど、先行きは見通しにくい環境だ。ただ、為替は安定が大事だ。同時に、企業はその時々の為替や株価の動向に関係なく、企業体質の強化や積極的な投資によって、成長戦略を実施することが重要だ」