【よむベトナムトレンド】フィンテック市場が拡大 20年に113億ドル規模へ (1/3ページ)

2016.12.28 05:00

首都ハノイの街中で携帯端末を操作しながら歩く男性。ベトナムは携帯を使った電子決済が急増している(AP)
首都ハノイの街中で携帯端末を操作しながら歩く男性。ベトナムは携帯を使った電子決済が急増している(AP)【拡大】

 IT(情報技術)を駆使し、携帯電話による決済機能や資産活用などの新たな金融サービスを提供する「フィンテック」に世界の先進企業から注目が集まっている。フィンテックとは、金融(finance)と技術(technology)を組み合わせた造語だが、われわれ人間が大きな役割を担う。新たなサービスやシステムを考えて生み出すのは人間だからだ。

 ◆ネット取引が急増

 近年、ITの発展が著しいベトナムの企業でもフィンテック進出に非常に良い環境が整い始めている。2015年10月、起業家と投資家をつなげることを目的に、国内初のファンド運用会社ドラゴンキャピタルと英スタンダードチャータード銀行がスポンサーとなり、「ベトナム・フィンテック・クラブ」が国内最大都市ホーチミンで発足した。今年6月には、アジア最大級のフィンテックイベント「Blockfin Asia 2016」がホーチミンで開催された。

 ベトナムではインターネットのユーザーやネット取引が急増している。15年の統計によると、人口9130万のうち4100万人がネット利用者であり、総人口に占めるネット利用率は45%に上る。また、ネットを利用する4100万人の62%がネットショッピングの実績をもつ。さらに、ネットショッピング利用者の半数近い48%がネットバンキングで支払いを済ませている。

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