外国からのインバウンドも視野
寺院があって自然にも恵まれた古都・京都なら観光資源に不足はないと思われがち。だが、京都市から参加した産業観光局新産業振興室の後藤司・コンテンツ産業振興課長は、観光客の7割が50歳以上で、若い人が訪れなくなる可能性を指摘。これを払拭する意味もあって、2012年から京都市も入って京都国際マンガ・アニメフェア、通称「京まふ」をスタートさせたことを紹介した。今年も9月17日と18日に開かれ、多くのコンテンツ企業が出展し、コンサートも行われて若いファンが訪れた。
学問の街でもある京都には大学が幾つもあり、日本初のマンガ学部を持つ京都精華大学も含まれている。もっとも、卒業して就職先や仕事相手を探そうにも、クリエイティブ関係の仕事は多くが首都圏に集まっており、京都や近隣では見つけにくい。これはもったいないと、京都市では漫画家の卵が暮らせる場所を作り、「京まふ」に東京から漫画編集者を招いて、主に関西在住の漫画家志望者の原稿を見てもらって、地元にいながら活躍できる道を作ろうとしている。
鳥取県からも観光交流局まんが王国官房課長補佐の渡邉比呂志氏が登壇した。ここでは水木しげるさんの描いた妖怪たちが並ぶ境港市の「水木しげるロード」を挙げ、「名探偵コナン」で知られる青山剛昌さんの協力を得た「鳥取砂丘コナン空港」の命名事例なども紹介。郷土の漫画家たちといっしょに地域を盛り上げていくスタンスをアピールした。現在はまだ日本からの来訪者が多いが、海外に広まる日本の漫画やアニメの人気を背景に、外国からのインバウンドも狙えると話していた。