積み荷がない船のバランスを取るために使う海水「バラスト水」に関する新たな国際条約が来年9月発効するのを前に、大規模改修が必要な日本関連の船が1000隻を超えていることが、国土交通省などへの取材で分かった。1隻1億円程度かかる改修は進んでおらず、日本船が世界の海から締め出される可能性もあり、船主や運航会社の早急な対応が求められる。
空の船が外洋を航海するには、専用タンクに大量のバラスト水を注入しバランスを保つ必要がある。条約発効後は、バラスト水を排出する際、環境に影響を与えないため、プランクトンなどを濾過するなどの処理が必要となる。
立ち入り検査で装置未搭載などの違反が発覚すると、船が拘留されたり、港から締め出されたりする恐れがあるが、改修には費用などがネックとなっている。