韓国の総合家電大手でスマートフォン世界最大手のサムスン電子は、スマホ分野で中国勢の追い上げを受けている。米調査会社IDCによると、今年7~9月期の同社のスマホ世界市場のシェア(生産ベース)は20.0%で前年同期から3.3ポイント縮小し、中国勢上位3社合計の22.1%を下回った。現地紙コリア・ヘラルドが報じた。
サムスン電子のシェア縮小は、8月に発売した最新スマホ「ギャラクシーノート7」が発火事故を受けてリコール(回収・無償修理)や販売・使用中止が相次いだことが要因とみられている。同機種は10月に生産終了が決定した。
中国勢の上位3社はファーウェイ(華為技術)の9.3%(前年同期比1.7ポイント拡大)、オッポ(OPPO)の7.0%(同3.8ポイント拡大)、ビボ(Vivo)の5.8%(同2.9ポイント拡大)。中国上位3社の合計シェアがサムスン電子を上回ったのは、これが初めてだという。
サムスン電子の同期の営業利益は、スマホ部門の急減速により前年同期比30%減の5兆2000億ウォン(約4810億円)に落ち込んだ。ノート7の生産終了が同社のスマホ販売に与える影響は大きいとみられており、今後は信頼回復がシェア奪還の鍵となっていきそうだ。