減速する成長、日米欧との距離感に差…BRICS首脳会議開催へ

 【ゴア州(インド南部)=岩田智雄】ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が15、16日、インド南部ゴア州で行われる。著しい経済成長を遂げてきた各国は最近、経済成長の減速や停滞に陥り、かつての輝きは失われつつある。米欧や日本との政治的な距離感が異なる中で、どれだけ結束を示せるかが課題となる。

 首脳会議は15日に夕食会で開幕し、実質討議は16日に行われる。BRICSが昨年、国際金融機関「新開発銀行」を設立したことに続く取り組みとして、米欧主導ではない新格付け機関の設立が協議されそうだ。

 テロを含む安全保障分野も議題に上るが、南シナ海やシリア問題など国際情勢に対する異なる立場を超え、各国がどれだけ歩み寄れるかは不透明だ。

 首脳会議に出席するインドのモディ首相は15日、プーチン露大統領と個別に会談する。ロイター通信によれば、ロシアが最新鋭の地対空ミサイルシステムS400をインドに引き渡す合意文書に両国が調印する。

 モディ氏は中国の習近平国家主席とも会談し、投資拡大やパキスタンからの越境テロ防止などへの協力を働きかけるとみられる。