【論風】岐路に立つグローバリズム 日本は存続へ主導権発揮を (2/3ページ)

2016.10.6 05:00

 ◆多極化構造が背景に

 このようなグローバリズムに反する行動が起こる第1の原因は、国際社会の多極化構造の進展にある。グローバル化が進むと、必然的に経済活動の平準化が進み、国際社会構造は多極化する。そうなると、国際社会のガバナンスに関する合意が困難となる。経済運営の主体も主要8カ国(G8)からG20に変わったために効果的な対策が合意できない。加えて多極化現象が特定国の国際的影響力を低下させるため、独善的な行動をとる傾向を高める。

 ◆ポピュリズムの台頭

 第2の原因は、主要国の国内政治の規律低下にある。政治は本来国民の安全を守り、経済を成長させ、福祉の充実を図ることを任務とすべきものだ。しかし最近は政党が政権の座に就くことを最優先してポピュリズム(大衆迎合主義)政治を展開している。

 第3に、市場リスクの増大がある。世界経済は、イノベーション力が落ち、需要が低迷している。米国経済はやや回復基調にはあるが、その金融政策には不透明性があり、EU経済は金融不安と英国の離脱によって低迷し、日本経済も構造改革が進まず低成長が続いている。中国経済も素材産業の過剰能力の解消が進まず、「新常態」への移行が危ぶまれている。

 主要国が政治のポピュリズム志向によって市場の適正な管理が進まず、過剰流動性を創出して世界経済の投機性と不安定性を高め、主要国の経済政策を内向きにしている。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。