人民元、市場原理から遠く SDR採用も政府が実質管理

 中国の通貨、人民元が1日から国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に正式採用され、ドル、ユーロ、円、ポンドに次ぐ5番目の主要通貨となった。中国政府はこれを機に、元の国際化を進め、対外的な影響力拡大につなげたい考えだ。

 中国人民銀行(中央銀行)は「金融の改革開放の成果が認められた」との声明を発表。IMFも元のSDR組み入れを「歴史的転換点」(ラガルド専務理事)と歓迎した。

 ただ、元の国際化は道半ばだ。米国などからは、中国政府による実質的な管理体制を改め、市場原理に完全に委ねるよう求める声が強まっている。中国が通貨・金融市場改革を進めるだけでなく、外交面でも各国の信認を得ることが、真の国際化に向けた条件となりそうだ。