日銀、３年連続でベア実施　０・２％。前年度からは鈍化

　日銀は２９日、平成２８年度の職員の給与を改定し、一般職員の給与を一律０・２％底上げするベースアップ（ベア）を実施すると発表した。ベアは３年連続だが、前年度の０・６％からは鈍化する。５月と１１月に支給する賞与（ボーナス）を含めた年収は前年度比１・１％増となる。

　物価上昇期待を引き上げようと、日銀は２％の物価上昇率目標を掲げ、企業に賃上げを呼びかけている。自行の賃上げを鈍化させたのは、３メガ銀行が今年の春闘で、マイナス金利政策による収益悪化懸念からベア実施を見送ったことが影響した可能性がある。

　日銀は２１日の金融政策決定会合で、長短金利操作の導入を決め、デフレ脱却を持久戦に持ち込んだ。０・２％のベアは物価上昇を演出したい本音と、ベアを見送った３メガへの配慮とのはざまで悩んだ末の水準といえそうだ。