しかし対策なく60年を迎える場合の結果は深刻で、韓国の早期死亡者数は3倍以上の最大1109人に増えると予想。EU4カ国とロシア・米国・カナダなど他のOECD加盟国に比べて特に増加幅が大きく、唯一100万人あたりの死亡者数が1千人を超える。日本は779人と1・7倍に増えるとしている。
こうした深刻な事態を意識したのか、韓国政府は大気汚染防止に向けた特別対策の具体的な履行計画をまとめた。聯合ニュース(電子版)によれば、PM2・5などを低減するため、20年までに5兆ウォン(約4500億円)を投じるほか、エコカー普及に3兆ウォン、その充電・充填(じゅうてん)インフラ構築に7600億ウォン、老朽化したディーゼル車の早期廃車の支援に1800億ウォンの予算を確保する方針という。
また中国を念頭に、周辺国から飛来する粒子状物質への対応も強化するとしている。共同研究や政府間の対話ルート設置を通じ低減策を共に模索する。だが、共同研究や対話ルートというと何とも弱腰の印象をぬぐいきれない。“元凶”であるはずの中国に「何とかしてください」と頼っているように思えてしまう。
韓国政府は大気汚染の問題で困っていたとしても、心情的に日本に頼ることはできないだろう。また、本来ならば中国は頼ってはいけない相手だ。中央日報がコラムで「今や私たちは中国に抗議もできない境遇なのか」と自虐的になるのもよくわかる。