政府は2日、平成29年度予算の概算要求基準を閣議了解した。景気に応じて柔軟に予算を組めるよう歳出総額の上限を設定せず、成長戦略や骨太方針の施策に重点配分するために4兆円程度の特別枠を設けた。要求総額は3年連続で100兆円を超える見通し。
各省庁がこれに基づき8月末までに予算要求し、財務省の査定作業が始まる。
経済財政諮問会議の民間議員は、経済成長による税収の増加分を1億総活躍社会の実現に活用するよう提言していた。基準は「予算編成過程で検討」するとして結論を持ち越し、保育士の待遇改善といった恒久財源が必要な事業は金額を示さない「事項要求」も認める。消費税増税の再延期で財源に穴のあいた社会保障の充実策の扱いと合わせ、年末にかけた編成作業の焦点となる。
特別枠は、公共事業や教育関連など裁量的経費を各省庁が28年度当初予算額から10%削って財源を捻出し、上乗せ要求できる仕組みとする。