政府が25日開いた経済財政諮問会議で、民間議員が2020(平成32)年の東京五輪を見据えたインフラ整備案として、国債の一種である財投債などを財源に活用すべきだと提案した。日銀のマイナス金利政策の影響で、財投債の発行コストが下がったことに着目した。また「まちづくりのコンパクト化」など、人口減少を織り込んだ新たなインフラ構築も求めた。
民間議員は、東京五輪に向け、長期的に経済活動や国民生活を向上させる効果のある社会資本の整備を進めるべきだと提言。平成39年の開業を目指す品川-名古屋のリニア中央新幹線に備え、品川、田町、大崎駅周辺について、国有地や民有地を一体的なプロジェクトとして開発すべきだとも主張した。
インフラ整備では、財投債の活用を提案。国が財投債の発行によって資金を調達し、政府系金融機関を通じて企業に貸し出す仕組み。償還には企業からの返済金があてられるため、国の債務に計上されず、財政赤字を拡大させないメリットがある。
このほか、提言には既存のインフラ整備事業の見直しも盛り込んだ。事業規模の見直しなどで予算が余った事業に関してその背景を分析し、29年度予算に反映させるよう求めた。
少子化を見据えたインフラ整備のあり方も提言。公的施設や情報システムの「集約、広域化」が必要とし、市街地にしない区域「非市街化区域」を都市計画法に加えるべきなどとした。