大気汚染の“元凶”「黄標車」 地域間の連携不足解消などが鍵 (2/2ページ)

2015.12.11 05:00

福建省厦門市の廃棄自動車置き場で解体を待つ車両(中国新聞社)

福建省厦門市の廃棄自動車置き場で解体を待つ車両(中国新聞社)【拡大】

 黄標車の処分が進まない理由について、業界関係者は主に3つの要因があるという。

 第1に、所有者が積極的に処分するには補助金が少なすぎる。このため多くの黄標車ドライバーは、肩身が狭いながらも乗り続けるか中古車として売却することを選ぶ。

 第2に地域間の連携不足だ。安徽省亳州(はくしゅう)市環境保護局の●化峰(けいかほう)氏は「大都市では黄標車の走行規制が実施されるため、多くの車両が中古車として経済発展地域から発展途上地域などに流れる」と指摘する。

 第3に燃料の品質の問題がある。専門家は「ディーゼル車の偽の(排ガス基準合格ラインである)国III基準合格車があることは公然の秘密だ」と指摘する。(装置の装着などで)黄標車でなくなったはずのディーゼル車が、実は低品質の軽油で黄標車同様に排出しているという。

 こうした状況を改善し、黄標車排除を加速するには、(1)「大気汚染防止法」を一刻も早く改正し、自動車メーカーに対する規制も厳格化するなど新たな措置を盛り込み、厳しく対処する(2)補助金の拡大やその支給手続き簡素化などで、所有者の自主的な処分を促す(3)黄標車の中古車市場への流通を禁止する-といったさまざまな措置が求められている。(経済参考報=中国新聞社)

●=刑のりっとうがおおざと

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