日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の記者会見で「個人消費や輸出などの需要はかなり増加している」と述べ、景気の回復傾向は続いているとの見方を示した。パリ同時多発テロの影響は「現時点では限定的だ」とした。
7~9月期の実質国内総生産(GDP)は設備投資の減少が響き2四半期連続のマイナスとなったが、「設備投資の計画は上方修正された。計画の出方がやや遅れている」と述べた。
テロの影響が限定的とした理由として、株式市場などに大きな混乱がないことを挙げた。ただ欧州で観光やクリスマス商戦が打撃を受けて世界経済の下押しリスクにならないかどうか注視していくとも話した。
原油安の影響を除けば物価の基調は着実に改善していると強調したが、2%の物価上昇目標を実現する上で重視する賃金の改善が「やや鈍いのは否めない」と述べた。