今後、増加が見込まれる1人暮らしの高齢者は自宅より見守り機能のあるサ高住の方が看取りがしやすいとの指摘もあり、高齢者向け住宅問題に詳しいタムラプランニング&オペレーティングの田村明孝代表取締役は「30年には年47万人がサ高住で看取られることになるだろう」と試算する。
全国で4000室以上の高齢者住宅を展開する学研ココファンは、悠翔会と提携し、このほど訪問看護の新会社「ココファン・ナーシング」を設立。来年2月にサ高住「ココファン横浜鶴見」内に第1号の訪問看護事業所を開業する。「今後は自宅やサ高住での看取りも飛躍的に増加すると見込まれ、医療法人と連携した訪問看護サービスは入居者の安心感を高める」(五郎丸徹社長)と期待する。多死社会に備えてQOLの高い終末期ケアを実現するための政策を充実させていく必要がある。
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【プロフィル】千葉利宏
ちば・としひろ ジャーナリスト 東京理科大学建築学科卒。日本工業新聞(現フジサンケイビジネスアイ)で半導体・IT、金融、自動車、建設・住宅・不動産を担当し、2001年からフリー。日本不動産ジャーナリスト会議幹事。著書は「家を動かせ!」「中古住宅を宝の山に変える」(共著:日経BP社)、「実家のたたみ方」(翔泳社)ほか。57歳。北海道出身。