内閣府は26日発表した8月の月例経済報告で、景気の基調判断について「緩やかな回復基調が続いている」として5カ月連続で据え置いた。個人消費は前月の「持ち直しの兆しがみられる」から「総じてみれば底堅い動きとなっている」と11カ月ぶりに判断を引き下げたため、基調判断に「改善テンポにばらつきもみられる」との表現を盛り込んだ。一方、中国の景気減速の影響を踏まえ、世界経済の判断は3年ぶりに引き下げた。
甘利明経済再生担当相が関係閣僚会議に提出した。
先行きは「緩やかに回復していくことが期待される」とする一方、中国経済の減速を踏まえ「海外景気の下振れなど、わが国の景気を下押しするリスクや金融資本市場の変動に留意する必要がある」とした。
輸出はアジア向けのスマートフォン部品の不振を踏まえて、「おおむね横ばいとなっている」から「このところ弱含んでいる」に3カ月ぶりに下方修正。輸入も「おおむね横ばいになっている」から「このところ弱含んでいる」に14カ月ぶりに下方修正した。住宅建設は「持ち直している」と3カ月ぶりに上方修正した。
世界経済については「アジア新興国等において弱さがみられるものの、全体としては緩やかに回復している」に下方修正、アジア各国で景気減速が波及しつつあることを指摘した。
ただ、甘利氏は会見で「世界の経済基盤は揺らいでいない」と述べた。