主に農村で行われている自然環境や農業、景観、文化などの地域資源を活用した「郷村観光」は、貧困層が貧困状態から抜け出す上で重要な手段とされている。国家観光局の呉文学副局長は今月中旬に行った説明で、第13次5カ年計画(2016~20年)期間中、観光業を発展させることで貧困層の17%を貧困から脱却させる計画を明らかにしている。15~20年には約1200万人の脱貧困を実現させるという。
全国各地方政府観光部門の統計によると、15年を除く第12次5カ年計画(11~15年)期間、観光業の発展にともなう脱貧困者数は1000万人超、全体の10%超だった。
呉副局長によれば、経済成長と住民所得の増加で、消費構造の転換・アップグレードが加速し、郷村観光は急成長する勢いにある。14年の郷村観光経営者は200万軒を超え、郷村観光特色村は10万カ所、旅行客の受け入れ数は全国の観光地の3分の1を占める12億人に達している。郷村観光の営業収入(売上高)は前年比15%増の3200億元で、3300万人を超える農民が利益にあずかった。
呉副局長によると、郷村観光は第1次産業と第3次産業を結びつけ、農産物の付加価値を直接的に引き上げ、農村の第1、2、3次産業を融合発展させ、単一的な農業を多元化した農業へと転換させる。粗放型経済から高効率・高収益型農業への転換を実現し、農民の生活を直接的かつ迅速に豊かにする効果がある。多くの農村が観光業の発展で貧困から脱却し、高収入を実現しているという。
国家観光局は今後、20年までに全国の郷村観光特色村を15万カ所、郷村観光経営者を300万軒、郷村観光の年間旅行客数を20億人、収入を1兆元超、農村の受益人口を5000万人にまで伸ばし、毎年200万人の農民の脱貧困を実現させることを目指している。(南方日報=中国新聞社)