インドネシアの病院経営各社の業績が好調だ。増加が続く中所得層の間で健康意識が高まっていることに加え、政府による保健制度改革で患者数が増えているのが要因。病院業は今後も堅調な成長が見込まれており、各社は新たな病棟の建設に注力している。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
今年1~3月、同国で病院を経営する上場3社はいずれも大幅な利益増となった。3社の最終利益は、華僑系財閥リッポー・グループ傘下のシロアム・インターナショナル・ホスピタルが345億3000万ルピア(約3億2500万円)で前年同期比28.5%増だったほか、オムニ病院を経営するサラナ・メディタマ・メトロポリタンが同18.3%増の138億2000万ルピア、医薬品も手がけるカルベ・グループのミトラ・クルアルガ・カリアセハットが、同15.1%増の1450億800万ルピアだった。
地場ダナレクサ証券のアナリストは、インドネシアの医療市場について、ヘルスケア支出が停滞していること、医療関連インフラが未発達なことから今後の成長余地が大きいと分析。所得増や2014年から導入した国民健康保険の定着が進み、中・長期的な拡大は確実との見解を示した。