14日投開票の衆院選にあたり、民主党や維新の党など野党5党は、自民、公明両党に対抗するため選挙区で候補者の一本化を進めた。しかし、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の終盤情勢調査によると、一本化した選挙区のほとんどで野党候補が自民党候補の後塵(こうじん)を拝していることがわかった。今回の衆院選では、野党が結束しても自民党の勢いをおさえられないといえそうだ。
民主、維新、次世代、生活、社民の野党5党のいずれかの候補が1人だけ立候補した選挙区は194に上る。このうち、5党で明確に候補の一本化の調整が図られた20選挙区の終盤情勢をみると、自民党候補が18選挙区で優位に立つ。野党が優位な選挙区も、共産党を含め一本化した沖縄の2選挙区にとどまる。
一本化が不調に終わり、民主、維新両党の候補がいずれも出馬しているのは20選挙区。このうち、自民党は17選挙区でリードし、民主党は2選挙区、維新が1選挙区にとどまる。
仮に民主、維新両党で調整し候補を1人に絞った場合を想定すると、4選挙区で逆転し、自民党が優位なのは13選挙区になる。
野党の候補者調整が本格化したのは11月21日の解散前後から。突然の衆院解散に慌てて動いた付け焼き刃の野党共闘は、比例代表を合わせて単独で300議席を超える勢いの自民党の前には「焼け石に水」となりそうだ。