これまでB2C(企業・個人消費者間)型EC企業が大型プラットホームに依存して事業を展開していたのに対し、実店舗の方ではブランド企業か小売店かにこだわらず、ネット通販会社との提携を進めている。コンビニ各社も同様だ。
◆複数と関係築く
5600軒の店舗数を有する美宜佳の鄭偉光副総裁は、同社が天猫商城(Tモール)や騰訊(テンセント)、京東と提携関係を結んでいることを隠さない。大手3社と提携しているのは、それぞれに異なるメリットがあり、相互に補完できるからだ。
テンセントが運営するインスタントメッセンジャー「微信」(ウィーチャット)は、コンビニとの間でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をベースにした提携モデルを進めている。コンビニは微信が提供する登録者情報に基づき、SNSなどを通してマーケティングを行う。双方向対話によって消費者の好みなどの情報を収集し、より多くの販売機会を得るというわけだ。
ある外資系企業のマーケティングディレクターは、オンラインショップの品物受け取りやアフターサービス窓口として実店舗を活用している米ウォルマート・ストアーズの例を挙げ、「中国ではまだこうした業務が成熟していない」と指摘、実店舗でネット通販の返品交換受け付け業務を試験導入することを提案する。
現在コンビニで可能なサービスは単純なものばかりだが、今後、ネット通販の中継窓口、さらにはカフェやバーなどの機能が追加されれば、地域生活の情報センターとしてコンビニを活用できるという。(中華工商時報=中国新聞社)