中国でも電子商取引(EC)のビジネスモデルが多様化するにともない、インターネット上の行動を店舗での消費行動に結びつけるO2O(オンライン・ツー・オフライン)型のネット通販各社にとって、オフラインでどのような業態と提携するかが成功の鍵となっている。
◆アマゾン動く
昨年、ネット通販大手のアマゾン中国がコンビニエンスストア大手ファミリーマートの中国現地法人、上海福満家便利と提携し、アマゾンで購入した商品を同市内のファミリーマートの店舗で受け取れるサービスを開始した。料金はオンライン決済のほか、品物受け取り時に現金やクレジットカードで支払うことも可能だ。
中国のEC大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)は今年上期(1~6月期)、国内コンビニの美宜佳便利店や成都紅旗連鎖、セブン-イレブンなどと協力関係を結び、コンビニで購入した品物の料金を傘下の決済サービス、支付宝(アリペイ)を通じて支払えるようにした。同サービスはすでにコンビニ2万軒で利用可能になっている。
ネット通販大手の京東商城は、利用者が位置情報サービス(LBS)を使って最寄りの実店舗でネット通販ができる機能を導入した。今後はコンビニと提携して時間指定宅配や超特急15分宅配、最寄りの実店舗でのアフターサービス受け付けなど、良質な物流サービスの提供を進めていく方針だ。充実した自社物流網の優位性を生かし、宅配ビジネスの住宅地への進出機会を狙う。
ネット通販大手が相次いでコンビニとの提携に動いている背景には、コンビニが地元生活において最も消費者に密着している現状がある。業者にとっても、利用者の希望する時間にすぐに商品を配達することができ、流通の最終工程である“ラストワンマイル”の課題を解決することができる。EC各社がO2O業務を進める上で、コンビニのような業態は提携に最適というわけだ。