競争的な市場の実現に向けて外資への門戸も開かれつつあり、日本などによるPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ=官民連携)モデルの発電プラントも増加している。外資系企業が建設から運営までを担うBOT方式の発電プラントは01年から11年までに7件、現在、アメリカ、中国、日本などの外資が、BOT方式のプロジェクト、約10件を進めている。
日本企業はJBIC(国際協力銀行)の支援を受け、石炭火力発電のプロジェクトのBOT契約に向けて現在、交渉している。電力インフラ整備のため11年から30年まで年間62億ドル(約6570億円)と巨額の費用が必要であると試算されている。
◆中国との契約ネック
しかし、現在、2つの大きな問題がある。
05年、電力不足を受け、ベトナム政府は中国と09年から15年まで毎年一定量の電力を買い取るという長期電力売買契約を結んだ。そのため、12年には国内プラントは70~80%しか稼働せず、低価格で国内需要を満たせる状況にもかかわらず、国内発電容量の4%を輸入した。15年までにまた同じ状況となる可能性もある。
また、電力の販売先がEVNしかないというのも問題だ。EVN関連企業が、前述したように60%以上を発電している。公正な市場を実現するためにはEVNと切り離されることが必要とされる。