日銀は11日発表した8月の金融経済月報で、昨年7月から「緩やかに増加していく」としていた輸出の先行き判断を「緩やかな増加に向かっていく」とやや慎重な見方に下方修正した。判断引き下げは平成24年11月以来1年9カ月ぶり。足元で米国や東南アジア向け輸出の回復が遅れていることを反映した。
輸出が伸びない理由として、自動車メーカーを中心に、海外への生産移転が拡大したと分析した。
財務省が8日発表した今年上期(1~6月)の国際収支速報は、モノやサービスなど海外との取引状況を示す経常収支が、上期として初の赤字に転落。輸出は4~6月期まで2四半期連続で減少している。
日銀は7~9月に輸出が増加に転じるとみる。だが「増加幅が小さければ、4~6月分とならして『横ばい』となるかもしれない。やや慎重な見方にした」と説明した。国内景気の現状判断は「基調的には緩やかな回復を続けている」と11カ月連続で据え置いた。