内閣府が15日発表した平成26年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質年率で5・9%増と、市場予測(4・5%増)や前回の消費税率引き上げ時の平成9年1~3月期(3・0%増)を大きく上回った。ただ、駆け込み需要の反動減が予想され、4~6月期のマイナス成長は避けられない見通し。7~9月期以降、日本経済が成長軌道に戻るためには、個人消費の回復がカギとなりそうだ。
26年1~3月期の個人消費は前期比実質で2・1%増。9年1~3月期と同水準だったが、今年は2月に2回にわたって大雪が降ったことで個人消費を押し下げた影響もあり、内閣府幹部は「実際は駆け込み需要は前回よりも強かったのではないか」と分析する。
9年は4~6月期に個人消費が3・5%減となった後に、7~9月期には0・8%増と一旦回復したが、10~12月期に0・1%減と再びマイナスに陥った。同時期に発生したアジア通貨危機や不良債権問題に伴う金融システム不安もあって、景気は悪化し、日本経済が長期のデフレに陥るきっかけにもなった。
個人消費の回復が遅れれば、デフレからの脱却や経済再生が遠のく懸念も出てくる。このため、政府は総額5・5兆円の経済対策を盛り込んだ平成25年度補正予算で景気を下支えする考え。反動減の影響を一時的なものとするためにも、経済対策の着実な執行や成長戦略に盛り込まれている各種政策の実現が求められそうだ。(永田岳彦)