三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)など大手銀行5グループの平成26年3月期連結決算が14日、出そろった。景気回復による企業業績の改善で、貸し倒れに備えた費用に戻り益が出るなどし、三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3メガバンクがそろって最終利益が過去最高を更新した。
5グループ合計の最終利益は前期比9.6%増の2兆8669億円となり、20年のリーマン・ショック前の利益水準を回復した。
貸出先の業績が想定以上に上向き、大手行で軒並み与信関連費用が好転した。また、株高により保有株式の評価額も改善し、業績を押し上げた。前期は国債売却益が業績を支えたが、26年3月期は5グループすべてで国債売却益が大幅に減った。これに代わり、投資信託販売などの手数料収入が伸びた。
資金運用で得られた利益は、国内向け貸し出しの利ざやが低迷する一方、海外向けでメガバンクは利益を確保した。三菱UFJは海外向けが昨年9月から3・7兆円増加した。みずほも大型M&A(企業の合併・買収)を貸し出し増につなげた。
利益水準の改善に伴い、各行は株主への配当を引き上げる。みずほは6年ぶりに増配を決めたほか、三井住友も年度当初の計画から配当額を引き上げた。一方、27年3月期の業績見通しは26年3月期に比べて与信関連費用が増えるため、三井住友トラスト・ホールディングス以外の4グループが減益を見込んでいる。