インド EUのマンゴー輸入禁止に動揺 自由貿易交渉に悪影響も (1/2ページ)

2014.5.13 05:00

 インド産のマンゴーが今月1日から欧州連合(EU)で輸入禁止となり、インド国内の関連業者などに動揺が走っている。輸入禁止は3月に英国向けのマンゴーから害虫が発見されたために講じられた。最長で2015年12月まで継続される可能性がある。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。

 インドは世界最大のマンゴー生産国。年間収穫量は150万~160万トンで、うち6万5000~7万トンを世界各国に輸出する最大の輸出国でもある。13年の英国への輸出量は4816トンで、同年に英国が世界各地から輸入したマンゴー全体の8.5%に相当した。

 英国環境・食料・農村省によると、3月に発見された害虫はトマトなどの農産物にウイルスを媒介するタバココナジラミだ。同省はEU全域の農産物に悪影響を及ぼす恐れがあるとしてEUに報告し、域内28カ国でインド産マンゴーなどの輸入を一時停止することが決定した。

 インド産の農産物は、昨年も一部で害虫の付着による輸入制限措置が講じられた。こうした経緯も今回の輸入禁止につながった一因とみられている。

 同省の幹部は過去にイスラエルで同種の害虫が大量発生してトマトが全量廃棄となった事例があると指摘。「3億2100万ポンド(約552億円)規模の英国農業を守るためにはやむを得ない措置だ」と述べた。

欧州委員会の担当者「インドには輸出する農産物の安全を保証する責任がある」

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