「増税分5兆円はすべて子育て・医療・介護・年金といった社会保障のために使われます」-。4月からの消費税率引き上げを目前にして、政府がこんな“駆け込み広報”を活発化させている。企業が商品値上げなど増税対応を強める一方、増税の目的に関する消費者の理解が不十分との懸念からだ。広報活動の成否は、税率10%への移行にも影響を与えかねないだけに、必死のPRを展開している。
23日付の新聞各紙には消費税広報のチラシが一斉に折り込まれた。A3版カラーの4ページ構成で発行部数は計約3600万部。税の使途から、負担軽減のための給付金の説明まで、内容は盛りだくさんだ。投じた費用は約2億9千万円。製作を担当した内閣府政府広報室は「国民に納得して増税分を負担してもらいたいため」と説明する。
政府は平成25年度当初予算と補正予算に、消費税関連の広報費として計約12億6千万円を計上した。昨年は新聞広告による啓発中心だったが、今月に入って、利用媒体も主婦向け雑誌やインターネットサイトのバナー広告、コンビニエンスストア内の有線放送にまで急拡大。26日には内閣府職員自ら、都内の駅前でチラシを配った。