日本や米国など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合が17日、シンガポールで開幕した。日本からは鶴岡公二首席交渉官が出席し、21日まで関税撤廃や知的財産など難航分野を中心に論点を改めて整理。22日からの閣僚会合で政治判断を仰ぎ、各国の意見が対立する論点で大まかな方向性を示す実質合意を目指す。
鶴岡氏は17日の会合前に現地で記者団に対し、「最終的な決着に向けて最大限の努力をする。閣僚会合で大きな進展が実現することに期待したい」と述べた。
昨年12月の閣僚会合では、農産品の関税撤廃で日米が対立。新薬の特許期間などを扱う知財でも米国とマレーシアなどの意見の隔たりが埋まらず、妥結を先送りした。12カ国は、現地で首席交渉官会合や各分野の作業部会も改めて開き、合意へのめどをつけたい考えだ。
また、日米両国は15日に米ワシントンで開いた甘利明TPP担当相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表との会談を踏まえ、東京都内で懸案の農産品や自動車について事務レベルの協議を継続。甘利氏は17日の記者会見で、「シンガポールで日米が基本的なまとまりができていないと、ほか(の交渉)が進まない」と述べ、閣僚会合までに一定の成果を目指す方針を示した。