日本と欧州連合(EU)による定期首脳協議が19日、首相官邸で開かれた。安倍晋三首相はファンロンパイ大統領、バローゾ欧州委員長との会談で、経済連携協定(EPA)について「可能な限り早期締結に向けた決意」を表明。交渉加速に向け、関税を撤廃する品目リストの交換を速やかに行うことで合意したとの共同声明を発表した。声明には、中国を念頭に、安全保障分野での協力を拡大することも盛り込んだ。
EPA交渉は今後、EUが関税撤廃を実現したい日本の農畜産品の扱いが焦点となるが、首相は会談後の共同記者会見で「包括的かつ高いレベルのEPAを目指すことで一致した」と述べ、成果を強調した。
安全保障分野では、中国の積極的な海洋進出の動きを念頭に、共同声明に「緊張を高めるいかなる一方的な行動も回避し、威圧的な行為を放棄するよう求める」と明記。法の支配に基づく「平和的な解決策の追求」を確認した。EU側の両氏は20日に中国を訪れ、こうした課題への対応を求める考えを示した。会談では、日EUで世界シェアの6割を消費する天然ガスの安価での購入に向け連携を強化することも決めた。