また、アフリカ全体に言えることだが、アフリカ諸国の平均寿命は先進国よりも短い。日本の平均82歳と比較すると15~45歳も短い。最長がチュニジアの67歳で、最短はシエラレオネでなんと37歳である。平均寿命が短い理由は病気や犯罪、そして内戦などさまざまだ。人口比率が多いBOP層(Base of Pyramid=低所得者層)のさらに下には、無所得者層も存在している。それらの人々がさまざまな理由で長生きできない現実がある。
治安に関しても不安がつきまとう国が少なくない。経済成長が最も期待されている南アフリカの場合、経済の中心地であるヨハネスブルクは世界で最も治安の悪い都市という汚名も持っている。南アフリカは年間に約1万6000件以上の殺人事件が起きており、他の犯罪も含めると年間に6万5000件以上もの犯罪が起きている。治安が悪い根源は、失業率である。南アフリカの失業率は高く、25%以上にも及ぶ。
日本政府は、アフリカに対して今後5年間で最大3兆2000億円の資金を官民合同で投じる意思を表明した。巨額な支援である。しかし、少し外に目を向けると、中国は2000年からの10年間で、約7兆5000億円もの支援をすでに行っている。