中国石油化工(SINOPEC)の子会社、石家庄煉化の劉暁欣副総経理によると、バイオディーゼルの精製に使われる廃油に高い品質は求められない。このため、健康に害を与えるとして問題となっている「地溝油」でも十分原料として通用するのだという。
「中国には資源となりうる廃油が現在1000万トン近くあるとみられ、それらをバイオディーゼルに使用すれば、莫大(ばくだい)な経済効果が生まれるだろう」(劉副総経理)。
しかもバイオディーゼルは「ディーゼル車の排ガスの汚染物質、特にPM2.5の排出を抑える効果が高い」(杜主任)。バイオディーゼルが普及すれば、「地溝油」の食用油への再利用を減らせるだけでなく、経済効果を生み出し、さらに大気汚染も改善できる。
そうしたメリットに目をつけた石家庄煉化は、廃食用油を使いバイオディーゼルを精製する技術を独自開発、国内外で30余りの特許を取得したという。