ただ、この制度にも抜け道があった。世帯単位で規制されるため、離婚して夫婦それぞれが独立し、不動産の名義を分ければ、不動産を複数所有していることにはならず(物件が2つで夫婦で分けた場合)、売却しても20%の課税を免れることができるという寸法だ。もちろん、首尾よく物件を売却して利益を得た後には、「再婚」するのが予定行動とみられている。
中国では、金回りが早い不動産売買は短期間で利益を得られる商売とされ、都市部の富裕層は不動産投資に励んでいる。バブルが社会問題となったため、一時、投機目的の不動産売買は鎮静化していたが、昨年6月ごろから再び不動産価格は上昇に転じた。中国国家統計局が発表する主要70都市の新築住宅価格によると、昨年6月、前月比で価格が上昇したのは25都市だった。それが11月には60都市まで増加した。北京では今年に入り、1平方メートル当たりの住宅価格が「1000元(約1万5000円)上がった」「40%上がった」などとの情報が伝えられている。
離婚が激増しているのは、上海、北京、武漢、南京、寧波などの都市部で、上海市閘北区の婚姻登録所では今週、1日としては過去最多の53組が離婚届を提出し、受理されたという。