ただ、市場では急速に楽観論が広がっている。円安や株高で同10~12月期には底を打ち、今後は個人消費の盛り上がりも見込まれる。
13年1~3月期以降は「(年率で)2%程度の成長が見込める」(SMBC日興証券の牧野氏)といった強気の見方も出てきた。
≪貿易≫ 輸出伸び悩み 膨らんだ赤字
輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、赤字基調が続いている。震災直後は輸出企業の工場が被災してモノが作れず、輸出が激減して赤字額が膨らんだ。
その後は原発の停止に伴い、火力発電所がフル稼働したため、燃料となる液化天然ガス(LNG)や原油の輸入が急増。企業の生産活動は震災直後の打撃からは回復したが、円高で輸出は伸び悩み、貿易赤字が定着した。
2011年の貿易収支は第2次石油危機直後の1980年以来31年ぶりの貿易赤字に転落し、12年は過去最大の6兆9307億円に拡大した。
貿易赤字定着で海外とのモノやサービス、投資などの取引状況を示す経常収支も今年1月まで、初の3カ月連続の赤字となった。
みずほ証券の倉持靖彦投資情報部副部長は「燃料の輸入は高止まりし、当面は貿易赤字が続く」と指摘。日本経済の大きなリスクとなっている。